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Top Page >  Cafe Karamazov

Cafe Karamazov


ロシアレストラン「ドストエフスキー」(サンクトペテルブルグ)

"One Pound of Nuts" ---------------- DSJ Member's Voice

「彼は、指をあげて、笑いながら、こう言うんです。『Gott der Vater, Gott der Sohn und Gott der heilige Geist!(父なる神よ、子なる神よ、聖霊なる神よ!)』 ぼくは、いま、戻ってきました。あなたにくるみ一袋のお礼を言うために来たんです。だって、あのころ、ぼうにくるみ一袋買ってくれる人なんてぜったいいなかったのに、あなた一人、このぼくにくるみ一袋買ってくれたんですから』。そこで、わたし、自分の幸せな青春時代と、裏庭ではだしで駆け回っていた、可哀そうな子どもを思い出したんですよ。わたし、心臓がくるっとなって、言いました。『きみは、感謝を知る青年だね。だって、きみがまだ小さかったときに持っていってあげたくるみの一袋、一生忘れずにいるんだから』。そうしてわたし、彼を抱きしめ、祝福してあげました」(『カラマーゾフの兄弟』第4部第4章より)
¶ 本コーナーでは、ドストエフスキーの文学に関する会員の皆さまのご意見を紹介します。
☛ dsjn_gg@nufs.ac.jp へ
¶ 本コーナーでは、ロシアおよび世界の文学や芸術に関する会員の皆さまのご意見を紹介します。
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